プレゼンやブログが伝わる文章の基本。良書に学ぶ「書く技術」

2012年2月20日


皆さんはプレゼンしたことや、ブログを書いたことありますか?

わたしの初めてのプレゼンはとてもヒドい内容で、10人の参加者全員が「?」状態でした。
その後、上司にみっちり絞られたのを今でも覚えています。

叱られてもなお「何が分からないと言うんだ!」「何で理解できないんだ!」と、相手の理解力の無さを「伝わらない」原因にしていました。

しかし、名著「考える技術・書く技術」を読み、初めて自分の伝え方に問題があったんだと知りました。

今回は、わたしを変えてくれたバーバラ・ミント著「考える技術・書く技術」を紹介してみようと思います。



1.伝わる文章の大前提
2.ピラミッドの「良いガイド」になろう
3.どうやって読み手と対話するのか?
4.どうやって疑問を湧き起こさせるか?
5.どうやって「答え」を出すのか?

伝わる文章の大前提

バーバラさんは言います。

キミは自分の思いを他人に伝えたいと思ったことはあるだろうか?
それはどんなことかな?

おそらく、読み手がまだ知らない「キミの主張」だろう。

「キミの主張」は読み手に伝わってこそ価値が生まれる。
だけど、人が「まだ知らない」ことを理解するのはとっても大変だし、キミがそれを伝えるのも難しいことなんだ。

じゃあ、どうやって「キミの主張」を読み手に伝えればいいのか?

それは「ピラミッド構造」の文章を書けばいい。
「ピラミッド構造」は人間が理解するのに適した「全体から詳細」への道筋ができるから。

読み手は、いきなり細かな話をされても、キミの話を理解できない。
それどころか何の話をされているかすらも、分からないことがある。

まずは、読み手にピラミッドの頂上から全体を眺めてもらい、徐々に下へ降りて行かなくてはいけない。
つまり「全体から詳細」だ。

これが伝わる文章の大原則になる。

ピラミッドの「良いガイド」になろう

バーバラさんは言います。

伝わる文章を書きたいなら、ピラミッドの「良いガイド」にならなくてはいけない。
良いガイドは、読み手をピラミッドの奥深くまで案内することに長けている。

ピラミッドは、キミ一人だけで降りるわけじゃない。
読み手と一緒にピラミッドを降りるんだ。

読み手は、自分が今どこにいるのか分からなくなると、キミの主張に興味を無くしてしまう。
だから、読み手が迷子にならないよう注意深く観察し、降りていくことが大切なんだ。

読み手の立場にたち、イメージしてみよう。
読み手がキミと同じ知識や情報をもっているなんて傲慢な考えではいけない。

読み手は「まだ知らない」キミの主張を知りたいと思っているだ。
だけど「まだ知らない」を理解するのはとっても難しい。
だから、手とり足とり教えてあげなくてはいけない。

ここで大事なのはキミが一人で喋ってはいけないということだ。
必ず読み手と対話しながら、ピラミッドを案内しなければいけない。

読み手と対話することで、「キミの主張」に興味を失わずに着いてきてくれるし、興味があることは理解も早い。

どうやって読み手と対話するのか

バーバラさんは言います。

読み手と対話するのは簡単なことだ。
読み手に疑問をいだかせ、質問させればいい。
その疑問に答えることで、対話が成り立つ。

ピラミッドを降り「キミの主張」が伝わるその時まで、Q&A形式の対話が続く。

まずはピラミッドの頂上で、読み手に疑問を持たせるんだ。

ピラミッドの頂上で疑問が湧かなければ、読み手はピラミッドを降りようともせずに、立ち去ってしまう。

「疑問」があるということは「知りたい」と思っているからだ。
「知りたい」ということは「興味」があるということだ。

つまり「疑問」を持たせることが、「キミの主張」に興味を持ってもらう前提となる。

「この疑問にキミなら答えてくれる!」と読み手が信頼してくれれば、一緒にピラミッドを降りてくれるだろう。

どうやって疑問を湧き起こさせるか

バーバラさんは言います。

読み手に疑問を湧き起こさせるには「ある方法」を使う。
それをキミに教えようじゃないか。

まず「読み手が知っている話」を伝える。

最初は必ず「読み手が知っている話」から始めるんだ。
知っている話はイメージしやすいし、合意できることから読み始めることでキミの話を好意的に聞いてくれるようになる。

次に「それに関連する話」を伝えろ。

ここで読み手は2つの話を聞き、最初の疑問が生じる。
「つまりどういうこと?」「それがどうしたの?」と。

まずはその疑問に答えるんだ。
その答えが「キミの主張」となる。

これらをストーリー形式で語ってみるといい。
ストーリー形式で語れば、イメージしやすく読みやすいから、読み手はキミの話を前向きに聞いてくれるようになる。

さらに読み手は「キミの主張」について疑問をいだくことになる。

「なんでそう言えるの?」「どうやるの?」「ボクはどうしたらいいの?」「ボクはそれをやるべきなの?」と。

そして、この疑問にピラミッドを降りながら答えていくんだ。
つまり、ピラミッドを降りながら、キミの主張の正しさを証明していくことになる。

参考例)

昔、商店街は多くの人で賑わっていた(①読み手が知っている話)

現在では、商店街は人がより寄りつかず、サビれてしまった(②それに関する話)

『何で商店街はサビれてしまったの?』(③2つの話を聞いての読み手の疑問)

なぜなら、商店街では「できない」ことが多すぎるから、サビれていく(④キミの主張)

『え?「できない」って何ができないの?』(⑤キミの主張を聞いての読み手の疑問)

※1つ下段
商店街で「できない」のは「お店に行けない」「お店に入れない」「商品を選べない」「商品を買えない」からだ(⑥ピラミッドを降りながら答えていく)

『お店に入れないのは何でだろう?』(さらに読み手の疑問)

それは・・・(もう1つ下段で答える)

読み手が疑問をもたない時、キミがその疑問に答えられない時、読み手はキミのもとから去っていく。
読み手は「疑問」があって「キミが答えを持っている」と期待しているから、着いてきてくれるんだ。

読み手が去るようであれば、もう一度頂上に戻って考え直してみるといい。

「どこで読み手は去って行ったんだ」「なぜ疑問を持ってくれなかったんだ」「なぜ納得する答えを出せなかったんだ」と。

どうやって「答え」を出すのか

バーバラさんは言います。

キミの主張への疑問は、頂上から1つ降りた「下段」で答えることになる。

この「下段」はピラミッドを支える柱となる。
つまり、下段はキミの主張を支える根拠であり、読み手の「疑問」への「答え」になる。

ここで注意しなければいけないのは、それぞれが個々に「答え」になっているわけじゃないってことだ。
それぞれが関連しあい「答え」になる。
この関連は「演繹法(えんえき)」と「帰納法(きのう)」のどちらかになる。

「演繹法」とは、一般的な前提から、結論を得る方法だ。

「大前提→小前提→結論」
例1「A=B。B=C。すなわちA=Cだ」
例2「Aは人だ。人は死ぬ。すなわちAは死ぬ」

「帰納法」とは、「個別・特殊」なことから、普遍的な法則や共通的な事象を得る方法だ。

因果「原因1。原因2。原因3。結果」
例 「客が来ない。利益率が低い。借金の金利が高い。だからお店が潰れた」

構造「部分1。部分2。部分3。全体」
例 「製造部。営業部。管理部。我が社」

類似「事象1。事象2。事象3。共通点」
例 「Aはヌイた。Bもヌイた。Cまでもヌイた。だから男はヌク」

「演繹法」と「帰納法」は、伝わる文章の基礎となる。
「キミの主張」の根拠を確固たるものにするため、必ず知っておかなくてはいけない。

あと、ピラミッドの深さは「頂上」「下段」「最下段」の3階層がもっともバランスがいい。
浅すぎると、読み手に疑問が残ったままになることがある。
深すぎると、読み手が着いてこれずに、途中でピラミッドを降りてくれなくなってしまうからね。


さあ、そろそろ時間だ。

あとは「考える技術・書く技術
を読むといい。

これからも応援しているよ。

キミが良いガイドになれるように。

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