いまさら人に聞けない。なぜか議論に勝つ人の詭弁術

2012年3月21日


議論になったとき「おかしな話だけど言い返せない」「論点がわからなくなった」「なぜか納得してしまう」といったことありませんか?

もっともらしいけどスジが通ってない話を「詭弁(きべん)」といいます。

自分の主張を強引に通す人や成績優秀なセールスマンは、この詭弁を使って話を有利に進めていくのに長けた人と言えます。
そしてわたし達は、この詭弁に惑わされデタラメな話を受け入れてしまい、不利な条件を押し付けられてしまう。

これに対抗するには、詭弁の傾向を知り、おかしな話を察知するスキルをつけることです。

今回は議論や口ケンカ、セールスなどに多く使われている詭弁を紹介したいと思います。




話をすりかえる

■論点のすりかえ
例)万引きはやめろだって?タケシだって万引きしてんだろ!
例)この商品の使い心地は最高ですよ。他社にマネできない製法を使ってますからね。

「議論になっている問題」に対して「別の問題」を出してきます。

■証明できないなら、その逆は正しい
例)幽霊は存在する。だって幽霊は存在しないって証明できないから。
例)お前は浮気をした。だって浮気はしてないっていう証拠が無いだろ。

証明できないなら逆が正しいのではなく、真偽不明になります。
「悪魔の証明」と呼ばれています。

■原因のこじつけ
例)キミは疫病神だ。だってキミが転校してきてから、ボクの両親はケンカするようになったから。
例)iphoneは新卒の就職率を下げる。だってiphoneが発売されてから就職率は下がりっぱなしだ。

「結果の直前に発生した」という理由だけで原因にします。

統計を操る

■サンプルの少ない統計
例)Fカップの女なんて存在するわけない。今まで付き合った女はみんなAカップだったから。
例)若者の電車離れが深刻だ。だってA君やB君、C君までもチャリ通勤している。

■サンプルの偏った統計
例)女性向けエロサイトはニーズが無い。エロサイトの調査によると利用者は男性ばかりだから。
例)公務員の不正が急増している。最近のニュースは公務員の不正ばかり報道しているじゃないか。

特殊な人しか来ない場所でアンケートを取っても、結果は偏ります。

■都合の良いサンプルだけを集めた統計
例)原発は存続させるべきだ。だって原発を推進しているのは先進国ばかりだろ。
例)ボクの意見は正しい。だってネットで調べたら同じ意見ばかりだったから。

人は自分に都合のいい情報だけを集めてしまいます。

■統計の罠
例)日本国民の半数は、平均以下の給料しかもらえない。

半数が平均以下になるのは当たり前ですが、表現方法によって異常な状況を作りだしています。

感情を操る

■常識を引きあいに出す
例)有給が残ってるから休みたい?有給なんて使わないのが常識だろ。
例)常識的に考えて、インターネットはエロがあったから発展したんだよ。

「常識」に反論するヤツは「常識を知らない」というレッテルを貼る手法です。

■印象で判断する
例)あいつは凶悪犯だ。だってあの顔を見てみろ。間違いない。
例)あなたの話は間違っている。だって、とても不愉快だったから。

根拠ではなく、印象や感情で結論付ける手法です。

■議論の内容ではなく、議論の相手を批判する
例)キミの言うことは信じられん。だって元受刑囚だろ。
例)この提案は実現できない。だってキミは頭が悪いから。

■集団を批判する
例)この法改正は悪法だ。だってカルト教団が支持しているっていうじゃないか。
例)このイベントは中止すべきだ。だって2chで発案されたって話じゃないか。

思考を停止させる

■古くからある考え方は正しい
例)これは100年前から受け継がれてきた手法だ。だから変える必要はない。
例)そんな商品を作った前例が無い。だから作れない。

「伝統は正しい」という暗黙知を利用して、相手にそれ以上考えさせない手法です。

■理想を現実に変えてしまう
例)ウソをつくべきではない。だからこの村でウソをつく者はいない。
例)ケンカをするべきではない。だから殴りあう人はいない。

■権威付けをする
例)絆は大切だ。だって先生がそう言っていたから。
例)バナナはダイエットに良い。だってテレビで放送されていたから。

人は権威に無条件で従ってしまいます。

■多数派は正しい
例)この商品は最高ですよ。とても多くの人が使ってるので。
例)この道は犬のウンコを片づけなくていい。だってみんな片づけてないだろ。

みんながやっていることは正しいというバイアス。

■一部から全体を推測する
例)あいつは成金だ。だってベンツを乗り回してるからね。
例)日本は鎖国すべきだ。だって中国に技術を盗まれっぱなしだから。

無理してベンツに乗っている人は大勢います。

■全体から一部を推測する
例)キミは不良だ。だってキミの通っているのは有名な底辺校じゃないか。
例)キミはカヨちゃんのリコーダーを舐めたりはしていない。だってキミはいつも正直だったからね。

全体からの推測は確率は高いものの、絶対とは言い切れません。

キーラーパス(質問)を出す

■質問返し
例)値段が高すぎるだって?じゃあ料金を踏み倒すというのか?
例)浮気してるんじゃないかって?じゃあ仕事に行くなっていうのか?

自分の説明責任を相手になすりつけます。

■過去を決めつけた質問をする
例)まだ浮気してるのか?
例)また会社でエロサイトを見てたのか?

相手の主張を奪う

■選択肢を2つしか与えない
例)教団に入って「幸せになる」か、入らずに「地獄に落ちる」か。どっちにするんだ?
例)就職活動の結果は2つしかない。いい会社に入って勝ち組になるか、ブラック会社で負け組になるかだ。

中間や曖昧な選択肢を除外している。よく使われる。

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